日本宗教学会 in 関西学院

9月2日から4日まで、関西学院で開催される日本宗教学会で発表することになっている、スラヴォイ・ジジェクのキリスト教理解についてのレジュメです。

「現代思想の宗教回帰—スラヴォイ・ジジェクの議論を中心として—」


 ジョン・カプートが唱えるように、宗教回帰が宗教者や神学者ではなく、哲学者や批評家によって唱えられているのが、現代の様相である。しかし、これは、単純に、プレモダン・反啓蒙的な宗教に回帰するということではない。ジョルジョ・アガンベンやアラン・バディウと並んで、「ポストモダン」や「ディコンストラクショニズム」の超克を試みる思想的動きを牽引する、ラカン派ヘゲリアンであるスラヴォイ・ジジェクの著作には、宗教、特にキリスト教についての言及が多くみられる。絶え間なく繰り広げられる映画批評、文学批評、ジョーク、時事批評によって、明らかにされると同時にあいまいになるジジェクの思想を、キリスト教理解に軸をおいて理解していくことが本発表の目的である。