2011-01-01から1年間の記事一覧

ジョナサン・イスラエルとラディカルな啓蒙主義の集大成としてのフランス革命

先日、プリンストン大学とプリンストン高等研究所(IAS)主催の、18世紀セミナーに行って来た。今年度初めてのセミナーは、IASの上級研究員である、ジョナサン・イスラエル博士の Democratic Enlightenment: Philosophy, Revolution, and Human Rights, 1750…

日本宗教学会 in 関西学院

9月2日から4日まで、関西学院で開催される日本宗教学会で発表することになっている、スラヴォイ・ジジェクのキリスト教理解についてのレジュメです。 「現代思想の宗教回帰—スラヴォイ・ジジェクの議論を中心として—」 ジョン・カプートが唱えるように、…

神と存在

新刊の紹介。現在オックスフォード大学の神学教授である George Pattison の最新作、『神と存在:一考察』(God and Being: An Enquiry, Oxford: Oxford University Press, 2011. pp. 350.)は、ハイデッガーの存在-神論 (Onto-theologie) の現代的神学意義を…

オデュッセイアと聖書

新刊物色中に遭遇した、ホメロスと旧約聖書を比較研究するという、なかなか面白そうな試み。両方とも古代中近東の文化的産出なので、ナラティブのジャンルが似てくるのは当然ではある。ギルガメッシュやエヌマ・エリシュなどには出てこない物語の比較がされ…

煉獄の歴史 Isabel Moreira

煉獄(purgatorium)についての新しい研究書がオックスフォード大学出版から出ている。著者はユタ大学で教えるIsabel Moreira。8世紀のベーダ・ヴェネラビリスによって理論的枠組みをあたえられた煉獄の思想の背景と発展を探る。宗教改革の始まりであるとされ…

ゲオルギイ・フロロフスキイ

ゲオルギイ・フロロフスキイは、ロシア正教の神学をギリシャ教父たちの源泉へと導いた第一人者。このディスカッションのためにWays of Russian Theology(1937) の一部を読んでみたが、浅漬けにもならない知識なのでレクチャーが楽しみである。正教の贖罪論は…

コンテクストの内のカルヴァン

David SteinmetzのCalvin in Contextの第二版が出版された。著者はデューク大学で長年教鞭をとり、神学思想史の分野では重鎮的存在である。最近は病気のため著作活動はしていなかったと聞く。そのためか、この第二版に加えられた5つの論文は、多くは既に出…

書評 Philip Rosemann, The Story of a Great Medieval Book

Kuni君がRosemannについてツィットしていたので、以前書いた書評をのせてみる。 Philipp W. Rosemann, The Story of a Great Medieval Book: Peter Lombard's Sentences. Rethinking the Middle Ages v. 2. Peterborough, Ont: Broadview Press, 2007. 248 p…

Post-Reformation Digital Library

友人の作ったサイトで、現在はカルヴァン大学の図書館に属しているが、初期近代のウェブ上に氾濫しているデジタル文献をまとめたとても便利なサイトがある。http://libguides.calvin.edu/prdl神学系のリソースがとても便利なサイトだ。