謹賀新年

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年は三月に出版された『知のミクロコスモス』(ヒライ・小澤編、中央公論新社)を始めとして、いくつかの出版や発表、講演を行う機会に恵まれました。なかでも十一月に上智大学の中世思想研究所主催のシンポジウム「中世における悪の諸相」での講演は、多くの人との素晴らしい出会いを与えてくれたものとして印象に残っています。

 本務校の東京基督教大学では、二年目ということもあり、より自由に学生と向きあうことができました。特に一年生の基礎演習の講義は、人文学の基礎ともいえる批判的に読み、書く技術を教える喜びを深く感じました。また非常勤先の立教大学では、大学院のゼミでジジェクやアガンベンなどのテクストを通して、現代におけるキリスト教の思想の可能性について共に考えることが出来ました。

 今年は単著の完成を目指したいと思います。また、研究会や発表を通して交流する仲間たちと共に、これまで以上に現代において必要である人文学の発展に努めていきます。
本年もよろしくお願いいたします。

加藤喜之