映画批評

『お早よう』小津安二郎

『お早よう』小津安二郎 1959年 松竹 なんてことはない日々のことばの紡ぎ方を題材にしてコミュニケーションの問題を描いた作品である。 この映画がコメディーである理由は、扱っている題材の深遠さがあらわれ、またかくされるのにもっとも適したジャン…

トウキョウソナタ

『トウキョウソナタ』をみる。2008年カンヌ映画祭において、「ある視点」部門審査員賞を受賞した、黒沢清監督の映画である。カメラワークがとても面白く、たとえば、役所広司扮する泥棒役に妻役の小泉今日子が誘拐され、逃亡の機会があるにも関わらず、…

Ikiru by Akira Kurosawa

『生きる』 黒澤明 1952年 この映画には、いまをどう生きるかといった様な道徳的な問いかけで、片付けることの出来ない壮大な美と物語がある。シンプルにいえば、人間と創造である。人は生きる意味のない、日々変わることのない永遠性の中にいきている。…