前近代と宗教改革

総合試験の準備も大詰めだ。中世をあとにして、前近代(early modern)に入る。「概論」、「イエズス会とアジア宣教」、「人文主義と宗教改革」、「カルヴァンと神の知識」、「オランダ宗教改革」、そして「スアレスと新スコラ学」。イエズス会とアジア宣教を本日終わらす。明日からは、人文主義と宗教改革に移る。

イエズス会とアジア宣教では、Spence、Moran、Ross、松田毅一をよんだが、なかでもHaruko Nawata Ward女史による Women Religious Leaders in Japan's Christian Century, 1549-1650. Women and Gender in the Early Modern Worldは、ザビエルからキリスト教抹殺までに指導者的役割をした女性に光をあてている興味深い一冊。とくに、徳川の支配イデオロギーとなった新儒教の女性観とイエズス会の女性観、そして１６世紀末の日本の女性の女性観をダイナミックに描き上げている。慈悲団体を始めたJusta of Nagasakiや細川ガラシャの侍女であった清原いとなどの、イエズス会による宣教に必要不可欠であった女性たちの生き生きとした姿を知ることができる。

ヴァリニャーノとキリシタン宗門 (松田毅一著作選集)

The Japanese and the Jesuits: Alessandro Valignano in Sixteenth Century Japan

The Memory Palace of Matteo Ricci

A Vision Betrayed: The Jesuits in Japan and China, 1542-1742

Women Religious Leaders in Japan's Christian Century, 1549-1650 (Women and Gender in the Early Modern World)

イエズス系関係の論文集は次の二冊がおすすめ。

The Jesuits: Cultures, Sciences, and the Arts 1540-1773

The Jesuits II: Cultures, Sciences, And The Arts, 1540-1773