歴史神学者としてのカール・バルト

Ryan Glomstrud, "Karl Barth as Historical Theologian: The Rediscovery of Reformed Theology in Barth's Early Dogmatics" from Engaging with Barth: Contemporary Evangelical Critiques edited by David Gibson and Daniel Strange, England, Great Britain, 2008. Pp.84-112.

バルトのバーフィンクの歴史理解から受けた影響について、Richard Mullerなどにみられる近年の改革派スコラ学の研究をふまえて論じている。バルトは単純にバーフィンクを読み間違え、その歴史観を間違って、理解したと論じている。またバルトはカント以降の神学者として、信仰の重要性を説くが、カント以前・以後を17世紀のプロテスタント・スコラ学とフリードリヒ・シュライアマハーの断絶性を無視していると論じる。はたして、バルトの議論をそのような単純な批判で乗り越えてよいのだろうか。