吉田隆『カルヴァンの終末論』

吉田隆『カルヴァンの終末論』教文館、2017年。


 あの大震災を体験したのは、本書の元となる博士論文を指導教官へ送った午後だったという。仙台の牧師であった著者は、震災と被曝による死の恐怖を内側に抱えつつ、ひとつの終末を体験する。しかしそのような苦難のなかでも、教派を超えたキリスト者たちがともに働く喜びに満ちた体験は、著者にもうひとつの終末体験を与えた。苦難のなかの喜び。これこそが震災後の世界で著者の知る終末の希望であり、震災以前にカルヴァンの終末思想のうちに見出していたものでもある。


カルヴァンの終末論

カルヴァンの終末論